【完】『ふりさけみれば』

結局。

みなみは清家勲のアドバイス通り、兵藤一慶にメールを送信した。

すると。

すぐさま返信がみなみの携帯電話に転送されてきたのである。

返事には、

「その日は時間が空いてますのでOKです」

と書かれてあった。

しかも。

「緊急時の連絡先をお知らせしておきますので、いざというときお使いください」

とあって、所属の事務所と違ったアドレスが書かれてある。

普段のテレビで見せる毒舌ぶりとは異なる律儀な面が垣間見てとれた。