【完】『ふりさけみれば』

彩は烏龍ハイを頼んだ。

肴はみんなでつまめるよう唐揚げをオーダーしてある。

「みなみと住むの?」

「一応、そのつもりやけどね」

みなみの話題になると、一慶は声が少し高くなった。

「それよか、二人は別れ話どないすんねんな」

こういうときの一慶は遠慮しない。

「私は正直、もう潮時かなって」

「なぁ彩、もっかい話したかてえぇやん、なぁ」

「私の気持ちは変わらないかな」

「なぁカズ、お前からも何とかいうたってぇな」

「こっちこそ、リキにカズさんからハッキリ別れてもらえるようにいって欲しいなぁ」

互いの心境は平行のようである。



< 190 / 323 >

この作品をシェア

pagetop