【完】『ふりさけみれば』
新大阪で降りると、
「じゃあ私はこのあたりで」
と、吉岡は地下鉄のほうへ降りてゆく。
いっぽう。
みなみと一慶は神戸線に乗り換え、
「取り敢えず梅田まで行かんことには、宝塚まで行かれんからねぇ」
といった。
梅田からは阪急線にさらに乗り換え、公演の少し前にどうにか宝塚の歌劇場にたどりついたのである。
入ってほどなく、幕は上がった。
「間に合ったな」
一慶は息をついた。
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