【完】『ふりさけみれば』
興味半分に恵里菜は、
「あの人って、独身?」
「前はパートナーいたけど、こないだ一周忌のときに話したらフリーだっていってた」
「そっかぁ…」
「…紹介しよっか?」
みなみは恵里菜の顔を覗き込んだ。
「でもいくらイケメンったって京都の、しかも盆栽屋さんの跡取りなんでしょ?」
「確か力さんで六代目」
「六代目かぁ…何か、荷が重いなぁ」
「そんなんだったらカズも、広島の造船所の跡取りだったんだよ」
恵里菜は初耳であったらしく、
「そうなの?」
「うん、ただしお姉さんのお婿さんが会社嗣いだから、居場所なくなって関西に来たらしいけど」
「そういうのあるんだ」
「確か力さんって嗣いだらシステムを変えて、とか前に話してたなぁ」
恵里菜は何となく興味を持ち始めたらしかった。