【完】『ふりさけみれば』

興味半分に恵里菜は、

「あの人って、独身?」

「前はパートナーいたけど、こないだ一周忌のときに話したらフリーだっていってた」

「そっかぁ…」

「…紹介しよっか?」

みなみは恵里菜の顔を覗き込んだ。

「でもいくらイケメンったって京都の、しかも盆栽屋さんの跡取りなんでしょ?」

「確か力さんで六代目」

「六代目かぁ…何か、荷が重いなぁ」

「そんなんだったらカズも、広島の造船所の跡取りだったんだよ」

恵里菜は初耳であったらしく、

「そうなの?」

「うん、ただしお姉さんのお婿さんが会社嗣いだから、居場所なくなって関西に来たらしいけど」

「そういうのあるんだ」

「確か力さんって嗣いだらシステムを変えて、とか前に話してたなぁ」

恵里菜は何となく興味を持ち始めたらしかった。



< 280 / 323 >

この作品をシェア

pagetop