【完】『ふりさけみれば』
4 運命の出逢い
幾日かして。
愛の帰国祝いの小さなホームパーティーが、田浦にある結崎なぎさの家で開かれた。
結崎なぎさの他に恵里菜と梨沙、あとは吉岡はるかが参加。
京都からは力が来た。
力と愛は初対面で、あとは一慶とみなみの結婚式か、または一慶の葬儀で顔を見知っている。
結崎なぎさがみのりの遊び相手になり、乾杯が始まる頃には、みのりは遊び疲れて眠っていた。
「結崎さんすみません、みのりの遊び相手になってもらっちゃって」
「いいのいいの、私も子供は大好きだから」
みなみはたまに、みのりの様子を見ながらパーティーに加わっている。
主役の愛は。
なぜか吉岡はるかと意気投合し、ダンスの本を書くことで話がまとまり始めていた。
いっぽう。
これも奇妙な組み合わせながら。
梨沙はどういう訳か結崎なぎさに気に入られ、梨沙が担当する日曜日の番組に、ゲストで出る話で盛り上がっている。
みなみは力と恵里菜を探した。
すると。
互いに端と端にたたずみ、一人でそれぞれオードブルのチーズをつまんでいるのである。