【完】『ふりさけみれば』
みなみが仕事から帰ると、一通の封書が来ている。
「もしかして…?」
差出人を見ると果たして、検査の結果である。
みのりを寝かしつけたあと、みなみは封を切った。
開いた。
中の書類を、恐る恐る披見してみた。
「検査の結果、3検体のうち1つには血縁関係は認められませんでした」
ふたつの検体は、みなみとみのりであろう。
ひとつは、愛ということになる。
別の書類には具体的に数値が書かれてあって、みなみとみのりは当たり前だが血縁がある。
が。
みのりと愛に血縁関係はない。
つまり。
愛は一慶の子ではなく、一慶は生前、勘違いをしていたことになる。