【完】『ふりさけみれば』
こらえきれなかったのか、みなみは涙をぽろぽろとこぼしながら、最後まで泣きながら読んで、再び封筒にしまった。
まだよく分からないみのりは、
「ママ、だいじょぶ?」
と小さな手でハンカチを持ってきた。
「ありがと、みのり」
ひとしきり泣いて落ち着いたのか、
「みのり、公園に行こうか」
「うん!」
そういうと軽い身支度をして、近所の高台にある公園を目指してゆく。
途中、石段がある。
その一段一段を、みなみはみのりの手を取りながら、ゆっくりと登っていった。
(完)