【完】『ふりさけみれば』

6 受け売り


改編期が来た。

みなみは昼間の情報番組から、深夜のバラエティー番組に担当が変わり、スケジュールに多少ながらゆとりが出来るようになった。

お笑いの芸人を相手にした収録は深夜までかかったが、明ければその足で京都に日帰りで行く。

いつも集まるのは一慶と彩とみなみである。

そこに。

たまに彩のパートナーの関藤力という、洛南の盆栽園の六代目が加わる。

「リキやんはな、キャメロン何ちゃらいうハリウッドのスターに会ったことあんねんで」

一慶がいうと、

「そういうカズかて、元は造船会社のボンボンやないか」

関藤がやりかえした。

どうやら。

旧知の間柄のようで、あとから彩から聞いてみると、果たしてその通り上ヶ原の大学の頃からの腐れ縁であったらしい。



< 42 / 323 >

この作品をシェア

pagetop