【完】『ふりさけみれば』
6 受け売り
改編期が来た。
みなみは昼間の情報番組から、深夜のバラエティー番組に担当が変わり、スケジュールに多少ながらゆとりが出来るようになった。
お笑いの芸人を相手にした収録は深夜までかかったが、明ければその足で京都に日帰りで行く。
いつも集まるのは一慶と彩とみなみである。
そこに。
たまに彩のパートナーの関藤力という、洛南の盆栽園の六代目が加わる。
「リキやんはな、キャメロン何ちゃらいうハリウッドのスターに会ったことあんねんで」
一慶がいうと、
「そういうカズかて、元は造船会社のボンボンやないか」
関藤がやりかえした。
どうやら。
旧知の間柄のようで、あとから彩から聞いてみると、果たしてその通り上ヶ原の大学の頃からの腐れ縁であったらしい。