【完】『ふりさけみれば』

そもそも。

最初みなみはスポーツ担当を希望していたが、それは同期の松田恵里菜というアナウンサーに決まった。

ちなみに。

この松田恵里菜というアナウンサーはもともと十代の頃はアイドルグループに籍を置き、大学も通信ながら早稲田を出ている。

みなみたちの同期ではいちばんのエースで、顔もアイドル出身だけに可愛らしい。

当然、ファンもかなりあったようで、ストーカーがつけ回して逮捕される事件があったほどである。

それはいい。

みなみはあとから聞いたが、

「なんてったって松田ちゃんは、男に受けそうな顔だからね」

それを聞いたみなみは、

「やっぱり顔かぁ」

はじめは落ち込んでいた。

だが、

「橘くん浮かん顔やけど、誰ぞあの世でも逝ったんか?」

声をかけてくれたのは一慶である。



< 7 / 323 >

この作品をシェア

pagetop