奏で桜
「おい、てめぇ!
なに笑ってんだよッ!」


鼻ピアスの男が叫ぶ。



「なめてんじゃねえぞッッ!
くそガキが!!」


トサカが怒鳴る。


私は彼らの虫の羽音のような声を
鬱陶しそうに聞きながら、
彼らにうんざりするように
こう言った。



「あー…、もういいよ、
わかったから早く私を何処かに
連れていきなさい。

どうせ下衆なことでもしようと
しているのでしょう?

貴方達の考えなんて
お見通しなのよ。


私がついてってあげるから、
その代わりにこの子は解放なさい。



…もう既に用があるのは
私だけなんだから、さ。
そうでしょ?」


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