奏で桜
…と微笑を浮かべながら伝えた。





「…ぇ、あ…」


彼女はまだよく分かっていない
ようだった。
しかし、私はそんな彼女の手を離し、

〝いってきます〟

とだけ言い残し、
連中とともに何処かに
消えていった。



「…ティアナちゃんっ!!」









…私の名前を呼ぶ
彼女の声を置き去りにして。
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