奏で桜

3

しばらく歩いていると私は、
辺鄙なトンネルの中に
連れていかれた。

そのトンネルの中は非道く
カビの匂いが充満し、
すぐにでもその場から出ていきたいと
思えるほど汚れていた。



…ただ、メリットがあるとすれば、

日差しが全然通らない

ということと、

〝誰にも見られていない〟

ということくらいであろうか。


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