奏で桜
「さ…てと、、、

…つーか、あんたよく見ると
可愛い顔してんじゃん。

まだまだガキっぽい面ァ
してるけどさあ、これなら十分
楽しめそうだわ。



…ふへへっ。



早く聞きてえなあ…。

てめえの悲鳴がよぉ…!」


ロン毛の男の顔はますます
トマトのように赤くなっていく。

ただし、よく見ると鼻の部分が
青く腫れ、若干、左に傾いていた。
どうやらさっきので
鼻の骨が折れてしまったようだ。

そんな彼の不細工な顔を見ていると
なんだか気の毒のように…

見えなくも、ないような…。


私は彼の顔が無性に可笑しくて
気を抜くと、嗤ってしまいそうに
なっていた。
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