奏で桜
彼の目を見て私はぞくっとした。

その瞳は暗く沈んでいて、
同じ人間の目だとは思えないほど
冷たかった。

…ただ、何となくなんだけれど…






…宝物を奪われた…子供?



「…ヒイロさん。
続けて探しましょう。

早くしないと取り返しの
つかないことになる。


…あと、先ほども言った通り、
くれぐれも警察には連絡しないで
ください。

よろしくお願いします。」


「…う、うん。わかった。」




…私はなんとなく、そう思ったんだ。
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