奏で桜
「ティアナちゃん…
ココア淹れたけれど、飲む?」


ヒイロは湯気の立つマグカップを
二つ、手に持ちながらこちらに来た。



「…うん。ありがとう。」


私はそれを受け取り、礼を言う。
そして彼女を、ジっと見つめる。

そう、不思議そうな目でジっとである。



「…どうかした?」


どうやら、私の視線は直ぐに
バレてしまったらしく、
彼女は、悟ったように
ココアを啜りながら私に尋ねた。


だから私は〝ちょうどいい機会〟だと
思ったので、聞いてみることにした。



「…ヒイロは気にならないの?
〝私たち〟のこと。」
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