奏で桜
その言葉を聞いてその少女は、
とても嬉しそうに大きな声で
〝ありがとう〟と言った。



「…あ、そういえばまだ
お名前言ってなかったね!
私の名前は〝ティアナ=ルーファス〟。
あなたが、〝お母様〟が
おっしゃっていた星井 有斗くんね!」


その少女は、薄いブロンド色の癖っ毛を
空に舞わせるかのように
こちらを振り向き、
〝よろしくね、アルト〟と
言葉を加えて、また天使のように
無邪気に微笑むのだった。













…これが僕とお嬢様の
初めての出会いである。
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