奏で桜
ーもともと、僕たちが住んでいる
世界と外の世界と呼ばれている
この世界には
〝境界〟のようなものがあった。
僕たちの住んでいる世界を
仮に〝A〟として、
外の世界のことを仮に〝B〟とする。
そうするとA→Bには自由に
通過することができるが、
B→Aには〝ある条件〟を
満たさない限り、通過することが
できないのだ。
ある条件とは、吸血鬼の血が
流れている者がいなければ
通ることを許されない
ということである。
つまり、ヒトがこちらの世界に
くるには吸血鬼が、〝最低一人〟でも
いなければならないということだ。
彼はこう見えても吸血鬼の一族の
一人であった。
だから僕にはこの男が必要だったのだ。
…そうでなければこんな下衆な男と
好んで一緒にいるワケが
ないのだから。
世界と外の世界と呼ばれている
この世界には
〝境界〟のようなものがあった。
僕たちの住んでいる世界を
仮に〝A〟として、
外の世界のことを仮に〝B〟とする。
そうするとA→Bには自由に
通過することができるが、
B→Aには〝ある条件〟を
満たさない限り、通過することが
できないのだ。
ある条件とは、吸血鬼の血が
流れている者がいなければ
通ることを許されない
ということである。
つまり、ヒトがこちらの世界に
くるには吸血鬼が、〝最低一人〟でも
いなければならないということだ。
彼はこう見えても吸血鬼の一族の
一人であった。
だから僕にはこの男が必要だったのだ。
…そうでなければこんな下衆な男と
好んで一緒にいるワケが
ないのだから。