奏で桜
「大丈夫ですよ、お嬢様。」


僕は彼女の震える手を支えるように
握りしめ、なだらかに微笑み、
言葉を続けた。



「先日も仰った通り、
僕はお嬢様の道具に過ぎませんが、
僕は貴女の為ならばどんなことでも
するつもりでございます。

だから、貴女は僕を
使ってくれればいい。
…ただ、それだけなんですよ。

なので貴女はありのままの貴女で
いてください。

…そんな貴女を
僕は守りたいんです。」


「………そう、…わかったわ。
本当に後悔はないのね?」
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