愛を探して・・
「はぁい、彰、ついたの?」
と、呑気に話す公美
「ああ。」
「寒いでしょ。北海道は?」
「まあな。お前、俺に言うことあるだろ?」
「言うこと?昨日病院だったけど
順調だったよ。
で、病院から入籍してから
母子手帳もらった方が、いいって。
言われた。」
「お前、なぜ、梨乃のことしった?」
「えっ、梨乃?」
「しらばっくれんな。」
「‥‥‥‥‥彰が、寝言で言った。」
「あぁっ、俺が?」
「うん、嘘ついたよね。
彼女いたんじゃない。
びっくりするぐらい、綺麗な人だね。」
「あったんだな?親にも?」
「だって、彰‥妊娠の話してから
連絡してこないし‥‥
だから、私が動いたの。」
「勝手なことを。」
「だって、彰、梨乃さんに言えなかったでしょ。
きっと‥‥だから、私が言った。
約束したのに、彼女電話したんだ?」
「ちげえ、俺がかけた。
あいつは、二度とかかわるなとさ
一年も騙していたから
でも、付き合って三年
あんなに怒った梨乃を始めてみたわ。」
「私で、良かったでしょ、
あんな綺麗な人、彰にはあわないよ。」
「そうかもしれない。
でも、かなり傷つけたな。
早くに言えば良かったんだ···」
と、言うと
「私も騙されて、傷ついてるのに。」
と、おちゃらけて言うから
「はあ?お前は、そんなたまじゃないだろ?
まわりから、固めやがって。」
「そうよ、私は、彰を愛してるから。」
「はぁっ、挨拶に行くよ。
お前んちにもうちにも。」
「ほんと?嬉しい‥‥
ありがとう。
気を付けて、帰ってきてね。」
「ああ、腹、気をつけろよ。」
あれだけ、しつこく、アプローチして
彼女にしたのに‥‥‥
いったい、なんだったのだろうか
俺は簡単に別れられるぐらいにしか
想っていなかったのだろうか
だが、俺には公美が会っているんだろうな
これで良かったんだ。
と、思う自分がいた。
また、梨乃に再会するとは
この時は、思っていなかった。