愛を探して・・

英志は、医務室に行き
寝ている女をみた。
産業医が、彼女は受付業務の
月島梨乃さんです。
今年大学をでて、入社した子です。
と、知らせてくれた。

起きない女を見て
抱き上げて、車に運んだ。
彼女の荷物は、同じ受付の人が
医務室にもってきたらしい。

さっきも思ったが
月島は、身長のわりに
軽くて、食べているのか
心配になった。

自分でも、不思議な感覚だ。
人に関心がない俺が。
なぜ、こいつにこんなに構うのか
わからなかった。

自分の家に連れていき
ベッドへ寝かせた。

車を降りて運ぶ間も
月島は、目を覚ますことは
なかった。

何が、こんなにこいつを
追い込んでいるのか‥‥
わからないが、このまま寝せておこう。

俺は、二人分の食事を準備して
風呂に入り、書類を見ていた。

あれから五時間過ぎていたか
バタバタと寝室から音がして
バターンとドアがあいて
顔を出した、月島は
俺の顔をみて
「ええ~っ、社長?」
「気がついたか?」
「はい、えっと、でも、なぜ?
        社長が?」
「お前、倒れたんだ。
エレベータまで、客を連れて
いってたときに。
覚えているか?」
「あっ、あのときに
視界が歪んで、目の前が真っ暗になって
すみません。ご迷惑お掛けしまして。
私、帰ります。」
「無理だ。また倒れたら困るから
今日は、ここに泊まれ
明日の朝、送ってやる。」
「社長の家に泊まるとか
失礼になります。マンションの隣には
親友も居ますから、大丈夫です。」

「じゃ、迎えに着てもらえ。
彼氏でも、いいぞ。」
「親友は‥‥まだ仕事で
彼氏とか、いません。」
「仕事?ならだめだ。」
「ホステスをしてます。
帰りに向かえを頼みます。」
「酒を飲んで帰って来るやつに
お前の看病ができるわけない。
駄目だ。」
「じゃ、タクシーで帰ります。」
「無理、社長命令。
俺の作った飯を食って、
風呂に入って、寝ろ。」
と、言い放たれ
ええっと、思うが
梨乃は、
「‥‥‥‥‥はい。」
と、言うしかなかった。
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