愛を探して・・

✡✡軽率な行動



村上さんから、
「それでは、山口さんご夫婦は、
どうぞ、お引き取り下さい。」
と、言われ
俺達は、外に出た。

二人とも、会話もなく
俺は、梨乃の家族から
浴びせられた、言葉が
頭の中で、ずっと渦巻いていた。

話すこともできず
黙ったまま、千紗を迎えに
公美の実家に行った。

千紗をみたとたん
公美は、抱き締めて
泣き出した。

両親は、
「どうしたの?ちょっと離れただけなのに。
おかいしいね。ママは、千紗がいなくて
寂しかったんだって。」
と、千紗に話していたら

千紗が、公美の頭をよしよし
していた。

千紗が、男にレイプされたら
そいつを、殺しかねる。
自分のしでかしたことが
たまらなく怖かった。

きっと、公美もそう感じたんだと
思う。

今は、梨乃の快復を心から願い、
自分の軽率さを
心から詫びた。
それは、公美も同じ気持ちでいた。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

残された私達は、
一応、いまやれることは
やった。
「先生、ありがとうございました。
お忙しいのに、すみませんでした。」
「いえ、構いません。
英志君にも、きちんと対応して欲しいと
頼まれていましたから。
でも、あの子が、ここまで
人に関わることに
びっくりしています。

彼は、業界で冷酷無比の貴公子と
呼ばれるほど、人に無関心なんです。
彼の育った境遇からですが
信頼している人間も、息子の春樹だけです。
そんな彼が、お嬢さんのことに
必死になっていて‥‥‥
凄い、お嬢さんだと。
是非、お話ししたいと思っています。」
と、言われて
「何処にでもいる、普通の娘です。
親バカを言わせて頂けるなら
心優しい娘です。
それに、妻に似て可愛い娘です。」
と、言い。
亮は、悲しく笑った。

再度、三人で村上さんに
お礼を言って、
村上さんの事務所をでた。
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