愛を探して・・
その後····
✡✡①
梨乃は、一週間で無事に退院したが
英梨也は、体重が落ち着くまで
退院することができなかった。
梨乃は、会社を退職して
家の事と、英梨也の病院通いを
毎日していた。
本当に不思議なことに
梨乃の記憶は、山口に関すること
だけが、抜け落ちていた。
嫌なことだけを、封印したのか
梨乃のママが、消し去ってくれたのか
それは、わからなかった。
「梨乃、英梨也は今日どうだった?」
「今日も、沢山お乳を飲んでくれたの。
もう少ししたら、体重が落ち着くから
って、先生に言われたよ。」
「梨乃は、疲れてないか?」
「大丈夫だよ。ありがとう、英志さん。」
梨乃との結婚は、大反響だった。
冷酷無比の貴公子と言われた俺が
結婚し、まして子供がいるとなると、
業界では、その話で
いまだに持ちきりだ。
まして、社報にだした
梨乃のウェデイングドレス姿は、
あまりにも綺麗で
瞳は、紫で‥‥‥‥
あちこちから、モデルのオファが
来ていたが、
梨乃が、まだ子育てが忙しく
考えられないと、言うから
そのように、返事をしていたため
余計に、オファが殺到していた。
受付の三人には、
お祝いを頂いた
「少しの間しか、働けなくて
悪かった。梨乃も気に病んでいる。」
と、言うと
彼女達は、びっくりしながら
「とんでもない。
また、遊びに来てください。
と、伝えて欲しい。」
と、言われた。
それをつげると
梨乃も、喜んでいた。
でも・・・
あの冷酷無比の社長が
謝るなんて‥‥
梨乃ちゃんって、何者?
と、先輩方三人がささやいているのは
当然しらない‥‥‥‥。
明日やっと、英梨也が退院することになった。