愛を探して・・

俺達が、去った後

「梨乃さん、本当に元気になったんだ
こんなとこで、会うなんて
びっくりした。」
と、母親の公美が言うが‥‥‥

父親の彰は、じっと梨乃達を見ていた。
あれが、俺の子か
梨乃の瞳も紫?
旦那も、男の俺から見ても
凄い、イケメンで、びっくりした。

それに、マジで俺を覚えてないんだ。
‥‥‥‥‥と、考えていた。

そんな彰を
公美は、不安そうに見ていた。

公美は、梨乃が意識がない時
知らされた、彰との一件

自分が、お産の時に
彰が梨乃を、無理矢理、
家で抱いたと聞かされて
やるせなく、憤りがあった。

昔‥‥誰かが、言っていた
「人から奪うと、奪われる。」と
あれから、彰の心は、ここにあらずで
ずっと、ずっと不安だった。

仕事もきちんとしてくれる
娘の千紗ことも、すごく可愛がってくれるし
私のことも、大事にしてくれる
だけど、何か違っていた。

梨乃の意識が戻ったと弁護士さんから
連絡を受けて、二人で、
ホッとしたのは、ついこの間だ。

すると彰が、
「公美、俺がやったことは、
人間として、最低、最悪なことだ。

同じ事が、千紗にあったら
俺は、ただではすまないと
思う‥‥‥そんな思いを梨乃や
梨乃の家族にさせてしまったことは、
一生、償っても、償いきれない。

だから、俺は、今から
お前と千紗を一生大事にしていく
毎日、感謝を忘れないで
生きて行くから
これからも、俺のそばにいてくれ。」
と、言った。

公美は、泣きながら

「うん、私も若気のいたりでは
済ませられないことを
梨乃さんにした。
その事を忘れない。
二人で、梨乃さんの幸せを願い
ながら、生きていこう。」
と、言った

「そうだな。じゃ俺らは、帰るか。」
と、言って三人で駐車場に向かった。
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