愛を探して・・

俺は、山口さんに連絡して
「お会いして話をしたい」
と、言い、
「その時、奥さんも一緒に聞いて欲しい」
と、伝えた。

薫さんのお店で早い時間に
待ち合わせをした。

山口さんは、奥さんを連れて
一緒にきた。
幸ちゃんと薫さんには、
席を一度外してもらい
三人で話した。

俺は、
『今の英梨也の話をして
生体移植は、近親者がいいこと。
梨乃は、2子を妊娠中で無理なこと。
義父は、高齢で無理
義兄は、適合しなかった。
因みに自分も検査したが、不適合だった。
それらを話して』

「山口さんの腎臓を
検査して、適合したら
二つある腎臓の一部を
英梨也に頂けないでしょうか」
と、話した。

山口の妻は、不安であるのか
「無理だと」‥‥と、ずっと呟いていた。

山口自身は、考え込んでいた。

俺は、
「俺の腎臓を分けてあげたいのは
やまやまだが、それはできない事です。
俺にできるのは、
あなたの治療費、仕事を休まれた
費用を支払うそれしか、ありません。
英梨也を助けてください。
お願いします。」
と、頭を下げた。

「大賀さん、頭をあげてください。
貴方が、私に頭を下げてまで
頼むのに、ためらいがあったでしょう。

あの子は、俺のを血をひいてはいても
貴方にそっくりだ。

貴方が、どれだけあの子を
可愛がってくれているか
わかります。

私は、梨乃へ償いをしたい
それが、あの子へ何か出来るなら
やりましょう。」
と、言ってくれた。

「彰、貴方に何かあったら‥‥。」

「公美、俺は、許されないことを
したんだ、それがずっと
俺の中で、俺を蝕んでいた。
俺は、負い目なく娘の千紗に
胸をはった良い父親でありたい
思っている。

英梨也君を助けてあげたい。
こんなことで、俺の罪が消えるわけでは
ないが、頼む。
俺のやりたいように
やらせてくれ。」
と、言うと、

妻も、
「わかった」
と、言った。

俺は、
「ありがとうございます。
まずは、検査をお願いします。」
と、いうと、

明日病院に来る
ことに、なった。
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