イケメン御曹司に独占されてます
「会長っ……。ほっ……本日はお招き頂きましてっ……あ、ありがとうございます」
吃りながらも必死に吐き出す挨拶に、会長は優しい微笑みを向ける。
「そんなに緊張しないで。それに今日は会長では無く、『おばあ様』とでも呼んでちょうだい。でも、この間は本当にごめんなさいね。あの方との間にはちょっとした行き違いがあって……。秀明は潔白なのよ。それだけは信じてあげてちょうだい」
「は、はぁ……」
「今日は会社での立場は関係なく過ごしてちょうだいね。私は秀明の祖母。あなたは孫のアシスタントをして頂いている、私にとってとても大切な方ですよ。この子、会社ではとても気難しいのですって? ご迷惑をおかけしているのでしょう? 本当にごめんなさいね。とてもひねくれたところがあって」
「い、いえっ。とんでもないですっ! 私、いつも怒られてばっかりで、池永さんには迷惑ばかりかけていて」
「まぁ、秀明。萌愛さんにそんなに辛くあたっているの? そんなことでは、嫌われてしまいますよ」