イケメン御曹司に独占されてます
「この前のドレスももちろん素敵だけど、今日の洋服も可愛いね。女の子らしくて、ふんわりしてて。油断すると触ってしまいそうだな」
そう言ってワンピースの袖に触れる、近づいた顔をまじまじと見つめる。
「どうしたの……? 僕の顔に、何かついてる?」
「あの……」
こうして近くで見ると、拓哉さんの瞳の色は確かに日本人離れしている。
その色は薄い茶色。光の加減では黄土色にも見えるけど……。
「どうして私の肩に傷があることを知っていたんですか?」
真っ直ぐに目を見つめたまま唐突に切り出した私に、拓哉さんは相変わらずの甘い微笑みを向ける。
「拓哉さんは……私のこと、知っていたんですか?」
工場跡に広がるクローバー畑。本のページをめくる長い指と、伏せた長いまつげ。頭を過るイメージに、胸が切ないほど締めつけられる。
「ターくんは……」
「違うよ。僕じゃない」
ずっと気になっていたことを口にしようとした私の言葉を、穏やかな口調が遮った。
「え?」
「きみの王子様は僕じゃない。……きみの王子様はね……」
微笑みながら顔を近づける、その唇に思わず私は耳を寄せた。
そう言ってワンピースの袖に触れる、近づいた顔をまじまじと見つめる。
「どうしたの……? 僕の顔に、何かついてる?」
「あの……」
こうして近くで見ると、拓哉さんの瞳の色は確かに日本人離れしている。
その色は薄い茶色。光の加減では黄土色にも見えるけど……。
「どうして私の肩に傷があることを知っていたんですか?」
真っ直ぐに目を見つめたまま唐突に切り出した私に、拓哉さんは相変わらずの甘い微笑みを向ける。
「拓哉さんは……私のこと、知っていたんですか?」
工場跡に広がるクローバー畑。本のページをめくる長い指と、伏せた長いまつげ。頭を過るイメージに、胸が切ないほど締めつけられる。
「ターくんは……」
「違うよ。僕じゃない」
ずっと気になっていたことを口にしようとした私の言葉を、穏やかな口調が遮った。
「え?」
「きみの王子様は僕じゃない。……きみの王子様はね……」
微笑みながら顔を近づける、その唇に思わず私は耳を寄せた。