イケメン御曹司に独占されてます

「えぇっ!! 拓哉さんじゃないの!?」


翌日の月曜日、いつものように応接室でのランチタイム。バゲットサンドを頬張る私を前に、七海子が大げさな声を上げた。


「うん。違った」


昨日、会長の家で会った拓哉さんに、私は思い切って聞いてみたのだ。あの歓送迎会からずっと胸に抱いていた疑問。——拓哉さんがターくんじゃないかという疑問。


違うよ——そう言ったあと、拓哉さんは悪戯っぽく笑いながら、私のことを知っていたわけを話してくれた。


「つまり、萌愛の王子様であるターくんは拓哉さんの同期だと」


「うん」


「それで、五月にあった研修で、今年の新入社員に福田萌愛っていう子がいる、その子が実は自分の知り合いで、昔怪我をさせてしまった相手だから何か困ったことがあったら力になってやってくれと頼まれた、と」


「うん。……私がここに就職したことは、社内報の新人紹介を見て知ってたんだって」
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