イケメン御曹司に独占されてます
「へぇ……。やっぱりターくんは優しい人なんだねぇ。で、今どこにいるなんていう人!?」


「それは教えてもらえなかった。自分の名前は絶対に明かさないでくれって言われてるんだって」


「へぇ〜。ますますかっこいいじゃん。なんかロマンティック〜」


食後のメイク直しを終えた七海子が、にっこりと鏡に微笑みかけるのを横目に、私は簡単に口紅を塗る。


「でもま、王子様は置いといて……」


七海子が綺麗な顔をずいっと近寄せてきて、その迫力に思わず背中を逸らす。その意味ありげな微笑みに、発せられる言葉の見当が簡単について思わず腰が浮いた。


「あの、私ちょっとトイレ……」


「ストーップ。萌愛、ちゃんと説明してもらおうか〜」
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