イケメン御曹司に独占されてます
ガッチリと腕を掴まれて、立ち上がりかけた私をそのままソファに座らせる。
華奢に見える七海子の、そのあまりの力の強さに私が恐れおののいている間も、七海子のニヤニヤは止まらない。


「それで!! 萌愛は秀明さんにしょっちゅう抱きしめられちゃってるわけだ!!」


「ちょ、ちょっと! 声が大きいよ……」


防音対策がなされている役員応接とはいえ、オフィスでその発言はまずい。


池永さんとの最近の出来事は完全に私のキャパを超えていて、ついこうして七海子に助言を仰いでしまうのだけど、その都度こうやって執拗な追求にあうのだからたまらない。
恥ずかしくて、いたたまれない。


「そっか〜。クールに見えて、実は溺愛タイプか〜。ツンデレの典型? あのルックスでそれは……オイシすぎる……」


もはや事実を超える妄想の中にいる七海子に、かける言葉が見つからない。




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