イケメン御曹司に独占されてます
溺愛王子のトラウマ
「福田、例の資料の進捗、どんな感じ?」
外出先から戻った池永さんが、無造作に席に座りながら言った。
「全体のレイアウトは出来てます。でも、どうも財務資料が上手く作れなくて」
「一番重要なとこだな。……ちょっと見せて」
椅子をスライドさせて私のそばに近寄り、背後から液晶を覗き込む。耳元に池永さんの吐息を感じて途端に脈拍が増えたけど、資料と数字だけに意識を集中してなんとかやり過ごす。
「ここは線グラフより棒グラフ使った方がいいな。比較強調したいから3Dにして。あと資料は全部カラーにするから、この部分目立つ色にして」
「分かりました」
「文章のレイアウトはこれでいい。文字の大きさ、あと0.5大きくしたら何ページ増えるかまた教えて。それは出来上がってからでいい。……ちょっとたくさん振りすぎだけど、月次処理はちゃんとできてる?」
「大丈夫だと思います」
「無理してミスがあったら本末転倒だから、手に余るならちゃんと言え。資料は野口にも手伝ってもらってるから、ちょっとくらいあいつに振っていい」
「大丈夫です」
私がそう言うと、池永さんが短いため息をついた。
外出先から戻った池永さんが、無造作に席に座りながら言った。
「全体のレイアウトは出来てます。でも、どうも財務資料が上手く作れなくて」
「一番重要なとこだな。……ちょっと見せて」
椅子をスライドさせて私のそばに近寄り、背後から液晶を覗き込む。耳元に池永さんの吐息を感じて途端に脈拍が増えたけど、資料と数字だけに意識を集中してなんとかやり過ごす。
「ここは線グラフより棒グラフ使った方がいいな。比較強調したいから3Dにして。あと資料は全部カラーにするから、この部分目立つ色にして」
「分かりました」
「文章のレイアウトはこれでいい。文字の大きさ、あと0.5大きくしたら何ページ増えるかまた教えて。それは出来上がってからでいい。……ちょっとたくさん振りすぎだけど、月次処理はちゃんとできてる?」
「大丈夫だと思います」
「無理してミスがあったら本末転倒だから、手に余るならちゃんと言え。資料は野口にも手伝ってもらってるから、ちょっとくらいあいつに振っていい」
「大丈夫です」
私がそう言うと、池永さんが短いため息をついた。