イケメン御曹司に独占されてます
「やめて! 離してください!」


「離して下さい、だって。かっわいいなぁ。でも、あんまりうるさいと、乱暴にしちゃうよ〜」


「大人しくしなよ。……悪いようにはしないからさ」


ふたりがかりで体を押さえられると、そのまま強引に引きずられる。


「いやっ!! 離してっ!!」


力の限り抵抗しても、男の人ふたりの力には全く敵わない。恐怖のあまり頭の中が真っ白になった。そのまま路地に連れ込まれ、派手な電飾がチカチカしている店に連れ込まれそうになる。

やだ。怖い。だれか助けて!!

恐怖で涙も出ないままに、力の限りの抵抗を続ける。
わけもわからないまま揉み合っていると、「チッ、しつこい女だな」と声を荒らげた男のひとりが拳を振り上げるのを感じた。


ぶたれる——。

そう思って目を閉じた瞬間、ふっと拘束が緩んでアスファルトの上に崩れ落ちる。

えっ? なに——。
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