イケメン御曹司に独占されてます
「だから無いから! そういうことは一切ないから! あるわけないから!」


「はぁ!?」


思い切り完全否定した私に、七海子が拍子抜けしたように脱力する。


「若い盛りの男と女がラブホテルで一晩過ごして、何にも無いって?」


「だから一晩じゃないって。朝にはタクシーで」


「でも何時間か一緒にいたわけでしょ? あの、他に何もすることのない空間に」


確かにその通りだけど、余りにもあからさまな言い方だ。


「一緒にっていうか……。私、寝ちゃってたし」


「は? どこで?」


「だからホテルのベッドで」


「その間、秀明さんはどこにいたの?」


「だからベッドで……」


「は!? 同じベッドで一緒に寝てたっていうの!?」


「だから私が寝不足で、ちょっと怖い目にあって泣いちゃったりして疲れてたから、池永さんが寝てろって」


「……」
< 172 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop