イケメン御曹司に独占されてます
普段寄り付くことのない垢抜けた場所。完全に気後れしてしまってしどろもどろになる私に、店員さんがこの上もなく美しい微笑みを向ける。
「そちら、うちの新商品なんですよ。今シーズンはベリーとブラウンがトレンドなんです。宜しかったら、おつけしましょうか?」
「えっ!? でも」
「お試しになるだけでも、是非どうぞ。……内緒ですけど、今、スタッフがたくさんいて暇ですし」
そう言って屈託なく笑った店員さんに彼女本来の笑顔が溢れて、私の緊張がふわりと解ける。
言われるがままにスツールに腰掛けると、店員さんが幾つかのリップやアイシャドウを持ってきてくれた。
「この秋のトレンドはチョコレートカラーなんですが、お客様には少し大人っぽすぎますね。お客様にはベリー系の潤いリップと、赤みを抑えたベージュブラウンの目元で少しだけ女度をあげるくらいがお似合いかと思います。お試しになります? これから何処かへお出かけですか?」
「あの、急にチケットをもらって、観劇に行くことになって」
「あらー。それなら少しは華やかにしないと!! 大丈夫。私にお任せ下さい!」
すっかり店員さんのやる気を起こさせてしまった私は、それから色々と試すことになり——。
「そちら、うちの新商品なんですよ。今シーズンはベリーとブラウンがトレンドなんです。宜しかったら、おつけしましょうか?」
「えっ!? でも」
「お試しになるだけでも、是非どうぞ。……内緒ですけど、今、スタッフがたくさんいて暇ですし」
そう言って屈託なく笑った店員さんに彼女本来の笑顔が溢れて、私の緊張がふわりと解ける。
言われるがままにスツールに腰掛けると、店員さんが幾つかのリップやアイシャドウを持ってきてくれた。
「この秋のトレンドはチョコレートカラーなんですが、お客様には少し大人っぽすぎますね。お客様にはベリー系の潤いリップと、赤みを抑えたベージュブラウンの目元で少しだけ女度をあげるくらいがお似合いかと思います。お試しになります? これから何処かへお出かけですか?」
「あの、急にチケットをもらって、観劇に行くことになって」
「あらー。それなら少しは華やかにしないと!! 大丈夫。私にお任せ下さい!」
すっかり店員さんのやる気を起こさせてしまった私は、それから色々と試すことになり——。