イケメン御曹司に独占されてます

返事の代わりに、液晶の向こう側から困ったような笑い声が聞こえた。


「お父さんたら!!」


『いや……。あの頼りなかった萌愛に、心配をされるようになったんだなって思って。それより、秀明くんとは上手くやってるのか?』


「……? 池永さん?」

今、お父さん秀明くんって言った? 私、池永さんの名前言ったっけ?


「ちゃんと上手くやってる。最近は任せてもらえる仕事も増えたよ」


『……そうか。この前帰ってきた時、ずいぶん悪口を言ってたからな。ちゃんと仕事が出来ているのかと心配になって』


そう言えばこの前帰省する直前にすごく怒られて、うちで散々愚痴をいったんだっけ。


「池永さんは相変わらず厳しいけど、怒られる時にはちゃんと理由があるから。理不尽に怒られることは無くて、大抵私の考えが甘いから最近はちゃんと反省して改善の努力をしてるよ」
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