イケメン御曹司に独占されてます
さすが経理部。広瀬さんはまるで池永さんのように椅子をずいっと私のそばまで寄せると、マウスを奪って資料に手を加えていく。
「上司に頼まれて作るときは、こういうところを注意するように言われてる。自分が分かりやすいものと、全く情報のない人に見てもらうのとじゃ、やり方が違うから」
「そうなんだ……。すごいね、広瀬さん。……私なんか全然ダメだよ。簿記二級だってすんなり合格して……。すごいよ」
やっぱり優秀だ。軽いショックを受けながら呟くと、広瀬さんは悪戯っぽく笑った。
「だって四回目だもん、受けたの。大学在学中はどうしても受からなくて」
「え……」
「だからそれもあって福田さんが気に入らなかったんだ。ごめん、私って負けず嫌いでさ」
そう言いながら、広瀬さんがパソコンの液晶に視線を向ける。
「今までのお詫びに手伝うよ! これ完璧に仕上げて、池永さんを驚かそう!」
一気に心の壁が無くなって、私と広瀬さんの時間が動き出す。
そんな同期の顔を頼もしく見つめながら、私も自分が努力しなくてはならないたくさんのことを、改めて自覚していた。
「上司に頼まれて作るときは、こういうところを注意するように言われてる。自分が分かりやすいものと、全く情報のない人に見てもらうのとじゃ、やり方が違うから」
「そうなんだ……。すごいね、広瀬さん。……私なんか全然ダメだよ。簿記二級だってすんなり合格して……。すごいよ」
やっぱり優秀だ。軽いショックを受けながら呟くと、広瀬さんは悪戯っぽく笑った。
「だって四回目だもん、受けたの。大学在学中はどうしても受からなくて」
「え……」
「だからそれもあって福田さんが気に入らなかったんだ。ごめん、私って負けず嫌いでさ」
そう言いながら、広瀬さんがパソコンの液晶に視線を向ける。
「今までのお詫びに手伝うよ! これ完璧に仕上げて、池永さんを驚かそう!」
一気に心の壁が無くなって、私と広瀬さんの時間が動き出す。
そんな同期の顔を頼もしく見つめながら、私も自分が努力しなくてはならないたくさんのことを、改めて自覚していた。