イケメン御曹司に独占されてます
遅い時間になっていたからか、オフィスの人影はまばらになっていた。
それでも私の隣の席には、身動きひとつしない広い背中が座っている。
池永さんは私を見るなり眉をひそめた。
「どこへ行ってた? あちこち探したんだぞ」
問いかけに答えることなく、私は帰り支度をする。
ただ見つめられているだけで、また泣いてしまいそうだった。
「帰るのか? なら送って——」
「大丈夫です」
もう、いい加減にして欲しい。これ以上感情を乱されたくない。
乱雑に机の上を片付けると、バッグを掴んで足早にエレベーターホールに向かう。
「ちょっと待てよ! 話ぐらい聞いたらどうだ!」
追ってきた池永さんに廊下で簡単に追いつかれ、手を引かれて唐突に会議室に連れ込まれる。
後ろ手に鍵をかけて、暗がりの中で唐突に抱きすくめられた。
強引すぎる池永さんの行動に、反射的に抗う。
「やっ……」
「ダメだ。……離さない」
それでも私の隣の席には、身動きひとつしない広い背中が座っている。
池永さんは私を見るなり眉をひそめた。
「どこへ行ってた? あちこち探したんだぞ」
問いかけに答えることなく、私は帰り支度をする。
ただ見つめられているだけで、また泣いてしまいそうだった。
「帰るのか? なら送って——」
「大丈夫です」
もう、いい加減にして欲しい。これ以上感情を乱されたくない。
乱雑に机の上を片付けると、バッグを掴んで足早にエレベーターホールに向かう。
「ちょっと待てよ! 話ぐらい聞いたらどうだ!」
追ってきた池永さんに廊下で簡単に追いつかれ、手を引かれて唐突に会議室に連れ込まれる。
後ろ手に鍵をかけて、暗がりの中で唐突に抱きすくめられた。
強引すぎる池永さんの行動に、反射的に抗う。
「やっ……」
「ダメだ。……離さない」