イケメン御曹司に独占されてます
「この間、こちらのお嬢さんにとてもお世話になったのよ。とても優しくて、思いやりのある手助けをして頂いたの。そのお礼がどうしてもしたくてね」
そう言った先生の手から、小さな包みが渡される。
「私、何もしていないのに頂いていいんでしょうか?」
「先生のお気持ちですよ。遠慮なく受け取って」
そうおばあ様にも言われ、お礼を言って可愛らしい小箱を受け取った。
「開けてみても良いですか?」
「もちろんですよ」
箱の中からは、透明な立方体の中に薔薇の花が閉じ込められたオブジェが現れた。燦々と光が差し込むこの部屋で、それは更にキラキラと輝き、とても綺麗だ。
「まぁ……。王妃の薔薇〝プチ・トリアノン〟ね?」
「このお庭で頂いたものよ。……まだ薫子さんがこの家にいらした頃に」
聞きなれない名前におばあ様の顔を見つめると、少しだけ眩しそうに優しく微笑んでくれる。
「私の娘——秀明の母親の名前なのよ」
「彼女が私の一番最初の生徒だったわ」
安西先生とおばあ様が微笑み合う。その横で優しく私を見つめる加奈子さんの眼差しを、何故だか逸らせない。
「あなたを見た瞬間、何故だか薫子さんを思い出したの。それで大切に保管していたこの花を使ってプレゼントしたくなったのよ」
そう言った先生の手から、小さな包みが渡される。
「私、何もしていないのに頂いていいんでしょうか?」
「先生のお気持ちですよ。遠慮なく受け取って」
そうおばあ様にも言われ、お礼を言って可愛らしい小箱を受け取った。
「開けてみても良いですか?」
「もちろんですよ」
箱の中からは、透明な立方体の中に薔薇の花が閉じ込められたオブジェが現れた。燦々と光が差し込むこの部屋で、それは更にキラキラと輝き、とても綺麗だ。
「まぁ……。王妃の薔薇〝プチ・トリアノン〟ね?」
「このお庭で頂いたものよ。……まだ薫子さんがこの家にいらした頃に」
聞きなれない名前におばあ様の顔を見つめると、少しだけ眩しそうに優しく微笑んでくれる。
「私の娘——秀明の母親の名前なのよ」
「彼女が私の一番最初の生徒だったわ」
安西先生とおばあ様が微笑み合う。その横で優しく私を見つめる加奈子さんの眼差しを、何故だか逸らせない。
「あなたを見た瞬間、何故だか薫子さんを思い出したの。それで大切に保管していたこの花を使ってプレゼントしたくなったのよ」