イケメン御曹司に独占されてます
ひとしきりおしゃべりを楽しんだあと、おばあ様と安西先生をテラスに残して、私と加奈子さんは薔薇のアーチへとやってきた。
ここはこの間のランチパーティで、秀明さんがお母さんの思い出を話してくれた場所だ。
「萌愛ちゃん、秀明くんのことなんだけど……。私の話を聞いてくれる?」
何かを決心したような加奈子さんの言葉に、胸がドキリと波打った。
けれど、もう逃げることはできない……逃げたくない。
身分違いとか、釣り合ってないとか、本当はそんなことは関係無かった。
ただ私が池永さんを好きで、その気持ちを池永さんに伝える勇気が無かっただけだったんだ。
逃げていただけだから。
だから例え加奈子さんと池永さんにどんな秘密があっても、ちゃんと受け止めなきゃ——。
そう覚悟を決めた私が聞いた言葉は、想像していたこととは、全く違っていた。
「萌愛ちゃん、あの時、私が会って話したかったのは、秀明くんじゃなくて拓哉なのよ」
「えっ?」
「あの時、突然〝婚約は破棄する〟って一方的なメールを送りつけられてね。それで私、あんなに取り乱しちゃったの」
「だって、あの時秀明さんが加奈子さんを抱きしめて……」
ここはこの間のランチパーティで、秀明さんがお母さんの思い出を話してくれた場所だ。
「萌愛ちゃん、秀明くんのことなんだけど……。私の話を聞いてくれる?」
何かを決心したような加奈子さんの言葉に、胸がドキリと波打った。
けれど、もう逃げることはできない……逃げたくない。
身分違いとか、釣り合ってないとか、本当はそんなことは関係無かった。
ただ私が池永さんを好きで、その気持ちを池永さんに伝える勇気が無かっただけだったんだ。
逃げていただけだから。
だから例え加奈子さんと池永さんにどんな秘密があっても、ちゃんと受け止めなきゃ——。
そう覚悟を決めた私が聞いた言葉は、想像していたこととは、全く違っていた。
「萌愛ちゃん、あの時、私が会って話したかったのは、秀明くんじゃなくて拓哉なのよ」
「えっ?」
「あの時、突然〝婚約は破棄する〟って一方的なメールを送りつけられてね。それで私、あんなに取り乱しちゃったの」
「だって、あの時秀明さんが加奈子さんを抱きしめて……」