イケメン御曹司に独占されてます
大好きだったターくんの大きな傷。ご両親を亡くして心を閉ざしてやってきた源兄ちゃんの家での夏休み。
それをまた悲しみの記憶で塗りつぶしてしまったのは私だ。私の不注意が、ターくんや加奈子さんや拓哉さんまで巻き込んで、こんなに長い間みんなを苦しめる結果になってしまった。
自分の存在が池永さんを苦しめたことが辛くて……胸が焼けるように痛い。
「全部聞いたの? もしかして今日、家に呼ばれた? どうりでやけにみんなこそこそしてると思った。……安西先生が来たなら、加奈子も来たの? もしかして拓哉も呼ばれた?」
仕方なさそうに微笑んで、「おばあ様の仕業だな」と呟いた池永さんがふと心配そうに私を見上げた。
「加奈子と拓哉、仲直りした?」
ふたりを心配する様子に、少しだけ気持ちが落ち着いた。
「ちゃんとお互いが気持ちを伝え合いました。ずっと両思いだったのに……。あんなに素敵なふたりなのに、とても不器用だから」
「あのふたりがこじれたのは、たぶん俺のせいだから。俺さえあの家に戻ってこなきゃ、とっくに幸せになってたはずだ。両親の事故だって、俺が空手の合宿中に熱を出して……。仕事の後、深夜に車を飛ばして迎えに来る途中、事故に巻き込まれた。俺が熱なんて出さなければ両親は死なずに済んだんだ」
そう言って拳を握りしめる、池永さんの顔が苦しげに歪む。
——時間が戻ればいいのに——
目を伏せたターくんの言葉がよみがえる。
それをまた悲しみの記憶で塗りつぶしてしまったのは私だ。私の不注意が、ターくんや加奈子さんや拓哉さんまで巻き込んで、こんなに長い間みんなを苦しめる結果になってしまった。
自分の存在が池永さんを苦しめたことが辛くて……胸が焼けるように痛い。
「全部聞いたの? もしかして今日、家に呼ばれた? どうりでやけにみんなこそこそしてると思った。……安西先生が来たなら、加奈子も来たの? もしかして拓哉も呼ばれた?」
仕方なさそうに微笑んで、「おばあ様の仕業だな」と呟いた池永さんがふと心配そうに私を見上げた。
「加奈子と拓哉、仲直りした?」
ふたりを心配する様子に、少しだけ気持ちが落ち着いた。
「ちゃんとお互いが気持ちを伝え合いました。ずっと両思いだったのに……。あんなに素敵なふたりなのに、とても不器用だから」
「あのふたりがこじれたのは、たぶん俺のせいだから。俺さえあの家に戻ってこなきゃ、とっくに幸せになってたはずだ。両親の事故だって、俺が空手の合宿中に熱を出して……。仕事の後、深夜に車を飛ばして迎えに来る途中、事故に巻き込まれた。俺が熱なんて出さなければ両親は死なずに済んだんだ」
そう言って拳を握りしめる、池永さんの顔が苦しげに歪む。
——時間が戻ればいいのに——
目を伏せたターくんの言葉がよみがえる。