イケメン御曹司に独占されてます
「……秀明、そんなんじゃプリンセスのご機嫌を損ねてしまうよ? お前にも色々迷惑をかけたから、今日はふたりにプレゼントがあるだ。今日はホテルのご好意で部屋を用意してもらってるんだけど、良かったら萌愛ちゃんと泊まって。僕と加奈子は行くところがあって。……那須の別荘、子供の頃よく行っただろ? あの星空をふたりで見てみたいって、加奈子が言って聞かないから」


「だってあそこの空は、東京とはまるで違うでしょう? あなた星座に詳しくて、よく私に星座の物語を話してくれたわ。……また聞きたいの。ふたりきりで」


そしてまたふたりの世界でラブラブムードになり、ほっぺにキスまで!
赤面して言葉を失う私の横で、秀明さんは平然とお礼を言う。


「それじゃ、あとは上手くやれよ、秀明。シャンパンと苺は僕からのプレゼント。あ、それと……」


別れ際、拓哉さんが何かを耳元でささやき、一瞬秀明さんの目が見開かれて——。


笑顔で握手を交わして、拓哉さんと加奈子さんが去っていく。
その後ろ姿を見送った後、池永さんがうやうやしく手を差し出した。


「エスコートするよ。……お手をどうぞ、プリンセス」







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