イケメン御曹司に独占されてます
「……大丈夫?」


ほんの少しの後悔をにじませた瞳が、心配そうに私を見つめた。


「え……?」


「初めてなのに、何度も……。ごめん。萌愛が欲しくて、我慢できなかった」


真顔でそう言われて、ゆうべあった色々なことが一気に脳裏をよぎった。
瞬時にに頬が火照る。
恥ずかしくて……。思わず顔を背けた。


「……萌愛?」


心配そうに頬を包まれて。恥ずかしいから逃れたいだけなのに、それすら許してくれない王子様は、やっぱり少々強引だ。


「私も……。そうしたかったから、いいの……」


ゆうべ、抱きしめられて、触れ合って。池永さんがターくんだと知った時から、全ての理由が分かった気がしたから。
また溢れてしまった涙を指で拭いながら、王子様が少し困ったように笑った。


「そんな風にされると困る。また欲しくなるから、萌愛のこと」


耳元に落ちたささやきに答える前に、柔らかに唇を塞がれる。
優しく頬や首筋を撫でながら、最初は触れるだけだった唇が次第に深く侵入してきて……。
思わず漏れてしまう息に、キスがますます激しさを増していく。
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