イケメン御曹司に独占されてます

「やだぁ、野口ったら。私の話じゃなくて、萌愛のこと」


「お前さ、どこの部署に行っても、あんま他の男に色目使うなよ。そうじゃなくても目立つんだからさ」


「野口ってば、そういうのは仕事が終わってからね?」


七海子にかかればまるで子供のように扱われる野口くんは、有名私立大学のアメリカンフットボール部でクォーターバックをやっていた。

アメリカの青春ドラマでいうと、ヒエラルキーの頂点にいたような人物だ。


優秀な上に運動神経抜群、その上ルックスの良さまで与えられた彼は当然同期入社の中でも一際目立つ存在で、同じく女子でダントツに目立っていた七海子とまとまるのに大した時間はかからなかった。


在学中に内定者ばかりが集められて行われた研修に何度か出席するうち、ごく自然に付き合うようになって現在に至る。


野口くんを狙う女の子は同期の中に結構いたようだけれど、七海子が相手では誰も文句は言えない。
七海子の方もまたしかりだった。


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