イケメン御曹司に独占されてます
「あ、あの、私もう戻らなきゃ……」


どうしてだろ。なんだか怖い。

早く皆のところに戻らなきゃ。



足早に岡田さんの横をすり抜けようとした私の腕を、素早い動きで掴まれる。そしてそのまま、壁に押し付けられた。
壁ドン?
いや、それ以前に、もうかなり顔が近くに迫っている。


「あ、あの!?」


逃げようとしても逃げられない。
酔っ払ってふらつく足元を支えるように腰に手を回され、ますます自由を奪われる。


「俺はきみにすごく興味がある……。福田萌愛。その名前にも、そしてその肩の傷にも」


心臓が掴まれたように痛んだ。
息ができないくらいの衝撃と、よみがえる記憶。


どうして?
どうして知ってるの?
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