イケメン御曹司に独占されてます
遅れてきたから、なんていうわけの分からない理由で池永さんはたくさんお酒を飲まされて、そこからは大騒ぎになって——気づいた時には岡田さんの姿は見えなくなっていた。
午後になって、雨はますます激しくなった。
どこで合流したのか、池永さんと野口くんが一緒にフロアに入ってきた。
ふたりともスーツと髪が少し濡れている。
「お疲れ様です」
そう言って立ち上がると、チラリと視線を私に向けた池永さんが、次の瞬間、第二営業部の岡田さんの席に視線を飛ばす。
空席が目立つその辺りには、岡田さんの姿は無かった。
「なんか急ぎの件ある?」
「納期についての連絡が入ってましたけど……急ぎの連絡はないです」
「……そんじゃ、取引先に送る書類の段取り、今日中にやっといて」
池永さんはそれっきり私を見ることなく、フロアを出て行った。
午後になって、雨はますます激しくなった。
どこで合流したのか、池永さんと野口くんが一緒にフロアに入ってきた。
ふたりともスーツと髪が少し濡れている。
「お疲れ様です」
そう言って立ち上がると、チラリと視線を私に向けた池永さんが、次の瞬間、第二営業部の岡田さんの席に視線を飛ばす。
空席が目立つその辺りには、岡田さんの姿は無かった。
「なんか急ぎの件ある?」
「納期についての連絡が入ってましたけど……急ぎの連絡はないです」
「……そんじゃ、取引先に送る書類の段取り、今日中にやっといて」
池永さんはそれっきり私を見ることなく、フロアを出て行った。