イケメン御曹司に独占されてます
「そうかぁ。真剣な恋だったんだね。……初恋かぁ……」
「私の怪我のせいでターくんも源兄ちゃんも皆にすごく怒られて、それでその後誰もその話をしなくなって。私も……覚えていないことも多いし」
野犬に襲われ肩に傷を負った恐怖で、私はしばらくショック状態だったらしい。二週間ほどお休みした後、二学期の始まった学校にようやく行けたけれど、気づいた時にはターくんはいなくて、お隣の家族も家の両親も、そのことに触れることなく年月が過ぎた。
本当にあれ以来初めて出た話題が、この間のおばさんの『ターくんと会社が同じかも知れない』発言だったのだ。
それでも……昨日の岡田さんの言葉が、心に深く刻まれてしまって……。
「昨日のこと、野口くんに聞いてる?」
「あぁ、秀明さんと岡田さんの修羅場?」
あれを修羅場というのかどうかは分からないけれど、岡田さんの言葉がとても意味深だったのは事実で……。
恋愛も上級者な七海子に聞けば何か分かるかもと、観念して昨日の出来事をつぶさに報告する。
「はーっ……。そりゃ、修羅場だなぁ……」
「そう、なの?」
「だって萌愛、あの岡田さんにキスされそうになったんでしょ!?」
「う……」
あの魔法のような瞳に誘われて、目を閉じてしまったのは本当のことだ。
「それでそれを見た秀明さんが『やめろ!!』とか言って岡田さんに殴りかかったと」
「私の怪我のせいでターくんも源兄ちゃんも皆にすごく怒られて、それでその後誰もその話をしなくなって。私も……覚えていないことも多いし」
野犬に襲われ肩に傷を負った恐怖で、私はしばらくショック状態だったらしい。二週間ほどお休みした後、二学期の始まった学校にようやく行けたけれど、気づいた時にはターくんはいなくて、お隣の家族も家の両親も、そのことに触れることなく年月が過ぎた。
本当にあれ以来初めて出た話題が、この間のおばさんの『ターくんと会社が同じかも知れない』発言だったのだ。
それでも……昨日の岡田さんの言葉が、心に深く刻まれてしまって……。
「昨日のこと、野口くんに聞いてる?」
「あぁ、秀明さんと岡田さんの修羅場?」
あれを修羅場というのかどうかは分からないけれど、岡田さんの言葉がとても意味深だったのは事実で……。
恋愛も上級者な七海子に聞けば何か分かるかもと、観念して昨日の出来事をつぶさに報告する。
「はーっ……。そりゃ、修羅場だなぁ……」
「そう、なの?」
「だって萌愛、あの岡田さんにキスされそうになったんでしょ!?」
「う……」
あの魔法のような瞳に誘われて、目を閉じてしまったのは本当のことだ。
「それでそれを見た秀明さんが『やめろ!!』とか言って岡田さんに殴りかかったと」