イケメン御曹司に独占されてます

「とにかく来いって言ってるから行ってくる。その間、お前はこの書類のチェック……」


「私も一緒に行かせて下さい!!」


池永さんの言葉を遮って、私は立ち上がっていた。
昨日のオーダーは件数も少なく、私がしっかりチェックしていれば絶対に防げたミスだ。
昨日は……。あの事件のせいで、仕事に集中しきれないでいたのだ。
責任は明らかに私にある。
プライベートを仕事に持ち込むなんて、社会人としてあってはいけないことだ。
池永さんひとりのせいにはできない。……いつもお世話になっている向こうの担当者、桜井さんにも自分自身できちんと謝りたい。


「……勝手にしろ」


じっと見つめたあと、フイと視線を逸らされる。
私は手早く荷物をまとめて、池永さんのあとに続いた。