白いオレンジ


どこかで食事しようと言われ、イタリアンのお店に連れて行ってくれた。

陽向と食事することは多いけど、その都度違うお店に連れて行ってくれることが多い。

どれも、女の子がすきそうなお店ばかりだ。

今日のお店も、女の子同士や男女の組み合わせが多いお店だった。


「ここのカルボナーラが美味しいんだよ」

「じゃあそれにしようかな」

「オレはシーフードにしようかなー」


暗い照明の店内。

メニューを選ぶ陽向の姿はとても絵になる。


前にここに来た時は誰が一緒だったのだろう…


「ののちゃん?どうしたの、ぼーっとして」

「えっ、ごめん」

「何、オレに見惚れてた?」


陽向が笑う。


「………」


この世で一番欲しいものは…

どうすれば、手に入れることが出来るのだろう。


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