白いオレンジ


「明日の1限なんだっけ?」


髪を乾かして、スマホで昨日のLINEを返していると、お風呂から上がってきた陽向が言った。


「建築材料」


明日っていうか、もう今日だと思いつつ答える。


「小テスト、答えこっそり教えてね」


陽向とは同じ大学の、同じ学科。

一緒に登校して、一緒に授業を受けて、一緒に帰って、一緒に寝て……

バイトの時以外一緒だ。

なのに、これで彼氏じゃないのだから、不思議である。



「雪乃ちゃん、おはよう」

教室について、声を掛けてきたのは同じ学科で、専攻も一緒の梨央ちゃんと沙耶ちゃん。


昔…高校時代から、友達の作り方が分からなくて、いつも独りだったわたし。

大学生になって、友達と呼べる存在が出来たのも陽向のおかげだ。

高校時代も、陽向のおかけで1人、心から信頼できる友達…親友が出来た。

< 8 / 27 >

この作品をシェア

pagetop