今宵、君の翼で



「援交で知り合ったおじさんに勧められてさ……それから何度かやっちゃって。正直援交するの嫌だったからその時だけ記憶飛んじゃうのが楽で。でも今はしてないよ!? 本当に! 親にも話したらさ、すげー泣いてんの。それ見たらさ……私もなにやってんだろうって、すっごい後悔したから……」



陽菜がやめたっていうなら信じよう。


でもこの後悔しているような顔を見ると、本当にもうやめたんだと思う。


やめるのがもう少し遅かったら手遅れになっていたかもしれないよね。


本当に良かった。



「うん。よかった……陽菜は私にとっても大事な友達だから。もう絶対にダメだからね?」



そう言うと、陽菜は照れくさそうに笑った。


なんでかな、陽菜が前と違く見える。中身が真面目になっただけじゃなく、優しくなったというか……幸せで満たされているような、そんな雰囲気。



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