今宵、君の翼で


聞くと、一つ年上の先輩に告白されて付き合い始めたらしい。


だからなのか……


陽菜の笑顔がすごく可愛くなったと思った。



「だからね、美羽は気にしないで翼と幸せになってよ? それをずっと伝えたかったんだ……」


そう言われて私は自然と涙が出た。




うん、幸せだった。



翼といると幸せで満たされていた。


きっと今の陽菜のような顔をしていたと思う。



でも……



その幸せもそう長くは続かなかった。



泣いている私に、陽菜はびっくりして起き上った。



「なに!? ど、どうしたの!? 私なんか変な事……」



私は首を振った。



「違うの……」


陽菜には全て解決したら言おうと思ったけど、もう隠しきれないかもしれない。


それに気づいた陽菜は、私のベッドに来て座った。







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